杞憂、はたまた核心。

思考の嗜好性を垣間見せ

旅の記録はプライスレス(ヒッチハイク二日目編)

 ご無沙汰しております。前回から大変時間が空いてしまいましたが更新させていただきます。

 前回、ヒッチハイクについて書いたのだが、予想以上に書く内容が多すぎたので、やむを得ず三部作になってしまいました。今回はその第二部です。

 上中下でいえば「中」の部分。序破急でいえば「破」の部分。起承転結でいえば…どこかわかんねえや。

 まあ、とにかく二日目のヒッチハイク旅、「北九州~長崎立ち寄り、博多行き」編をお送りさせていただきます。

 一日目の紀行文はこちら。

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北九州~古賀SA

 前日、北九州の小倉に着いたのはおよそ24:30。眠りについたのは大体2:30くらいだった気がする。ヒッチハイク旅は時間が読めないので、すべからく早く行動することが求められる。この日は8:15に目覚め、朝食のサービスがあったので、とりあえず食べに行った。その後、シャワーを浴びたり、身支度をして10時頃にホテルを出発する予定だったが、準備中、9時頃からホテルのオンデマンドチャンネルで、暇つぶしに「僕だけがいない街」を見ていると、想像以上に面白い展開だったので、結局最後まで見てしまい、出発するのが11時になってしまった。何たる不覚…。まあ、面白かったので良しとしよう。

 ホテルから歩いて一番近い小倉北ICでヒッチハイク開始。この日は雨の予報で、気温も少し肌寒かったので、早く見つかってほしいなと思いながら「博多」と書いたスケッチブックを掲げて立っていた。

 すると、前方に停まってくれている車発見!荷物をまとめ、とりあえず車へと走る。

 乗っていたのは一人の男性で、博多には行かないけれど、途中までで良ければと言ってくれたので、ありがたく乗せてもらうことに。

 話をしていると、どうやら福岡県の中学校で教員をしている方らしく、今年度から転勤になったので、荷物の整理や餞別を渡しに行く途中だったらしい。結構多いな学校関係。

 となると、道中話すことはもちろん教育についてなのだが、やっぱりどこの現場でも不満はあるのだなと思った。その上、やはり続けている時間が長ければ長くなるほど、人間はその環境に適応しようとしてしまうので、不満が不満で終わってしまいがちになる。「まあ、仕方ないや」とか「何も変わらない」とか思ってしまいがちになってしまう。それが大人と呼ばれているものなのかもしれないが、それでも僕はそうはなりたくない。この乗せてくれた方がそうというわけではないが、もっと抗ってみるのもいいのではないかと思ったし、お互い頑張ろうという話を最後の最後までして、古賀SAまで送ってもらった。目的が同じ集団だ。それさへ共通していれば、いろんな人間、いろんな思想がいたりあったりしてもいいはずだ。

 

古賀SA~基山PA

 古賀SAから再びヒッチハイク。SAが改装工事中だったが昼時ということもあり、人の出入りは申し分なかった。

 行き先をどうしようかと悩んでいたところ、「博多」と書かれたスケッチブックを見た二人組のギャルが「博多今から行きますけど乗りますー?」と言ってくれたが、長崎まで行きたかったので惜しみながらも他を探すことにした。ギャルと話したかったぜ…。

 その後は博多?でゲストハウスを運営している人たちから頑張れと言ってもらい、ホルモン揚げをもらった。ありがとうございます。そうして掲げていると基山SAまで連れて行ってくださる方が!しかし、この方との記憶がほとんどない~…。たぶん、次はどこで降りるかとかどこまで目的地にしたらいいかとか、本格的にヒッチハイクの話しかしていなかったからだと思う…。本当に申しわけないですぅ…。

 というわけで基山PAに到着!ここは大分、熊本、長崎に分かれる前の最後の大きな休憩所なので、長崎行きも多いだろうとのこと。ただ長崎自動車道は急に車が少なくなるので頑張ってくれと言ってもらい、その方とは別れた。ありがとうございました!

 

基山PA~金立SA

 さて、基山PAに着いた我々だが、とりあえず腹ごしらえということで、基山PA限定の華味鳥バーガーをロッ●リアにて食らう。柚子胡椒が絶妙にちょうどよく、おいしくいただきました。

 さて、腹ごしらえも済んだことなのでヒッチハイク再開。このとき少し天候が悪くなり、少し雨が降ってきた。雨のヒッチハイクはしたこともないし、かなり過酷だろうと思っていたので、できれば早く車に乗り込みたかった。

 そんな時に爽やか高身長のイかした男性が「こんにちは」と声をかけてくださり、「ヒッチハイクしている人には行き先に関係なく声をかけてみて、もし乗せていけなかったとしても、頑張ってって温かい飲み物を渡したりするようにしているんです」と言い、温かいお茶を渡してくれた。イケメンすぎる…!

 そして、長崎までは行かないけれど、途中のSAまでなら乗せて行ってあげるよと言われたが、ここなら直接長崎まで行く車に出会えるかもしれないとも言われた。決めるのは僕たちに任せるということだろう。僕らが出した決断はもちろん乗せて行ってもらうことだ。雨も降りそうだったし、何より早く長崎に行きたかった。

 ということで爽やか高身長イケメンのトオルさんの車に乗せてもらい、途中の金立SAまで連れて行ってもらうことになった。ありがとうございます。

 どうやらトオルさんはヒッチハイクの常連で、一度北海道にスノボーに行った帰り、荷物は先に家まで送り、体一つで北海道から地元である佐賀県まで、途中寄り道をしながら、約一か月間ヒッチハイクだけで帰ってきたらしい。なんという行動力。

 その経験(これ以外にも海外でのヒッチハイクや様々な経験をしている)が現在の仕事でも非常に役に立っているらしい。具体的には営業などで、その地方地方での地元民なら知っているという情報についても詳しかったりするので、取引先との関係も円滑になるらしい。恐るべしコミュ力。

 そんなトオルさん、なんと次期社長らしい。家業である仕事の三代目?だかなんだかで、そろそろ世代交代なのだそうだ。なのである程度時間も融通が利くらしい。納得の余裕感のある爽やかイケメン加減である。

 そして、話題は僕らの仕事について。基本的にヒッチハイクをしていると、まず聞かれることは「学生さん?」なのだが、今回も例に漏れず聞かれた。とりあえず学校で働いている旨を伝え、ここでもやはり教育の話に。

 ヒッチハイクをしている意味だの、教師だからこそいろいろ経験しなくてはいけないだの、僕の持論をしっかり聞いてくれ、余裕のある寛大な心で受け入れてくれながらも、トオルさんも熱く話してくれて、目的地のSAまで、とても時間が流れるのが早かった。

 金立SAに着き、何とか雨もやみヒッチハイクができると思っていると、なんとこのトオルさん、先ほどの話で熱くなりすぎたのか、我々をなんと長崎まで送ってくれると言うではないか…。まさに神のような存在である。

 しかし、トオルさん自身もかつてヒッチハイカーだったので、道中様々な人と出会うことも大切だということで、とりあえず15分ほどヒッチハイクをしてみて、どうしてもつかまりそうになかったらまた声をかけてくれと言ってくださった。

 なので僕らは後ろ盾がある安心感からも、普段より活発にヒッチハイクを行うことができた。

 そもそもヒッチハイクは全く予想ができないことばかりであり、途中心が折れそうなことも何度もある。4時間まったく動けないこともあった。なので、この安心感は非常に緊張感を解いてくれてとてもありがたかった。

 そうやってヒッチハイクをしていると一人のおじさんが声をかけてくれた。

 長崎に連れていってやるから荷物運びを手伝ってくれとのこと。もちろん快諾である。というわけでスタバで時間をつぶしているトオルさんに報告に行こうとしたがいない。なのでSA内の販売エリアに探しに行ってみると、どうやら何かを買っていたようだ。

 僕はトオルさんに乗せて行ってくれる人が見つかった旨を伝えると、よかったねと言ってくれた。そして先ほどレジで買っていた佐賀土産と博多土産を渡してくれた。優しさの権化である。本当にありがとうございました。

 

金立SA長崎

 というわけで我々はおじさんの車に乗り長崎を目指した。

 おじさんはここから長崎に行くよりも、長崎から博多に帰るほうが難しいんじゃないかと脅しをかけてきた。まさかこの予言が現実になろうとはその時の僕らは毛頭考えていなかった。

 おじさんは東京~長崎間をよく仕事で行き来しているらしい。その仕事は楽器や機材のレンタルらしい。しかし、その仕事は副業らしい。謎の人物である。

 また、本業はSEだと言っていた。なんでも、野球観戦のチケットサイトを運営しているらしい。今はソフトバンクのチケットサイトを担当しているらしいので、ほとんど博多に籠りっぱなしのようだ。世の中にはいろんな仕事があり、いろんな人が仕事をしているおかげで僕らは生きていけるのだと改めて感じた。

 そんなこんなで話をしながら長崎を目指すが、こりゃまた長崎が遠くてたまらん。道中、山か田園、棚田などが広がっているだけで、住宅地なんてものはほとんどない。この時点でなかなか不安になっていった。

 しかし、長崎に近づくにつれて車の数も少しだが増えてきたので、まあ何とかなるだろうと思っていた。

 そんなこんなで高速を降り、おじさんの家に向かったのだがとにかく長崎、坂が多い!!おじさん曰く坂が多すぎて自転車は使い物にならないと言っていたが、なるほどと頷けるほど坂だらけであった。

 そして、おじさんの家に機材を搬入。その後長崎の繁華街?っぽいところで降ろしてもらった。ありがとうございました。

 

長崎観光

 長崎に着いたのは大体16時頃。ホテルのことなどを考えると18時には長崎から出発したかったので、なかなかタイトなスケジュールが求められる。

 というわけで、道に電車が走りまくっていたのでとりあえず乗ってみることにした。しかし、これがまた初見殺しの極みのような乗り物であり、どのように乗り場に行くのかもわからないし、乗り継ぎをするときに運賃を払わなければならないのかもわからなかった。というわけでとりあえず出島で降りてみた。なぜ出島なのかというと、長崎で知っている地名が出島しかなかったからである。

 結局、出島からオランダっぽい観光地まで歩いて行った。なかなかのロスタイムとなってしまったが仕方ない。

 オランダっぽいところは本当にオランダっぽかった。オランダに行ったことはないが。

 キリスト教が強い建物があったり、西洋建築があったり、グラバー邸にも入りたかったが、時間がなかったため断念…。

 そんなこんなで足早に観光を済まし、カステラの試食を楽しみ、カステラをお土産に買って帰った。

 せっかくなのでちゃんぽんを食べたかったので店を探したが、リンガーハットが多かった。大阪でも食べれるぜ…。と思ったので、なんだかシャレオツな中華レストランでちゃんぽんを頂くことにした。開店後すぐに入店したのだが、その時点で満席という人気店だったので味も期待できそうだった。

 少しの間待ち、席に通されると、時間もないので一瞬で注文。まあちゃんぽんを食べると決まっていたので特に注文に時間をかける必要もなかった。しかし、人の数も多かったので、なかなか運ばれてこなかった。これには結構はらはらした。

 そして、蓋付きちゃんぽんが運ばれてきた。蓋がついているだけで本格的な雰囲気を漂わせている。味もおいしい。今まであまりちゃんぽんは食べたことがなかったが、結構いけるなと感じた。

 時間もなかったのでちゃんぽんを流し込み、店を後にし、ヒッチハイク再開ポイントへと急ぐ。この時点で少し雨が降っていたので、なかなか不安になった。また、長崎だから仕方がないが、長崎ナンバーの車ばかりで、高速に乗る車もあまりなかったので、いよいよ帰れるのかと心配になっていた。

 

長崎~博多

 とりあえず、先程の楽器の運び屋おじさんに教えてもらったインターチェンジを目指し、路面電車に乗り、平和記念公園の近くで降りる。

 本当は平和記念公園も観光したかったのだが、辺りは暗くなってきた上に雨も降ってきたので、とにかくインターチェンジを目指す。

 歩きながらも「博多」と書いたスケッチブックを掲げていたが、通るのは長崎ナンバーばかり。かなり不安である。

 とりあえず昭和町インターチェンジに着いたが、これがまたヒッチハイクに向いていないタイプのインターチェンジであり、通行人のおばぁちゃんからも、絶対無理だと太鼓判を押される始末。通りがかりの青年に、博多までのバスが出ているからそれを使ったら帰れると言われたが、とりあえずヒッチハイクであることを伝えると、なんだか申し訳なさそうに帰っていった。すまない、しかしありがとう青年よ!

 そこから全く捕まる気配がないので、我々は禁じ手であるバスを使うしかないのかと思い、とりあえずバスの時間を調べてみた。

 幸いまだバスは何本か出ているらしく、予約するしかないか、と会員登録をするところまで考えた。

 会員登録はしなかったが、どの道バスに乗るには長崎駅まで行かなければならず、昭和町から長崎駅まで歩きながら、「長崎」と書いたスケッチブックを掲げていた。とりあえず誰かに停まってもらいたかったからである。

  すると、一台の車が停まってくれた。若いカップルであった。一度我々の前を通り過ぎたが、気になって戻ってきてくれたらしい。ありがたい…。

 彼らは長崎育ちの地元民で、映画を見に長崎駅の方に向かっている途中だったらしい。

 彼ら曰く、博多から長崎に来る人は新幹線で来ることが多いらしく、車はあまり期待できないらしい。僕たちも「そうですよねぇ」と、電車かバスを使うしかないのかあ、と思いながら話をしていた。

 すると、助手席に乗っていた彼女が、友人に連絡して、博多まで乗せて行ってもらえるか聞いてあげるというので、僕たちはそれに一縷の望みに託す他なかった。

 しかし、どうやらその友人はその時佐世保にいたらしく、僕らの望みは儚く散ってしまった…。

 …かのように思われたが、少し同情してくれたのか、この出会いに何か感じたのかはわからないが、どうやらその時見たい映画もなかったらしく、博多まで少しドライブする?という展開になっていた。

 私はこの時地上の神の存在を確信した(笑)。しかし、ヒッチハイクをしていると、毎回必ず神のような方々と出会ってしまう。優しさに助けられていると言ってしまえばそれまでだが、信じていれば手を差し伸べてくれることもあるのだと確信できる。

 私のテンションはさっきまでの絶望と打って変わって、ただただ盲信するしかなく、胸の高鳴りは最高潮であった。

 結果的には博多まで送ってもらえることとなった。本当にありがとうございました。

 その上、飲み物までごちそういただき、至れり尽くせりで助かりました…!

 長崎自動車道は思ったより車通りが少なく、閑散としていて、外灯もなかったので、長崎から一発で博多まで帰ることができなかったら、完全に野宿パターンだったと思う。ひえ~。

 道中話をしたことはたくさんあるが、とにかく仲のいいカップルだった。というより、バランスが良かったのかもしれない。彼氏の方は天然キャラなのかわからないが、たまに、会話が嚙み合わなかったりしていて、それに対して彼女が罵倒するのだが、なんだか愛のある罵倒であり、それに対して彼氏も、まったく嫌な素振りも見せず、我々も楽しい雰囲気を過ごせた。

 あとはやっぱり方言の違いや、ものの略し方の違いの話などで盛り上がった。

 セブンイレブンを「セブイレ」と略すのは大阪だけなのか?

 

 そんな話をしていると博多に到着。これまたホテルの前まで送って頂いた。本当にありがとうございました。これからも仲良く過ごしてください!

 ちなみにカップルの方はあまり停まってくれないどころか、見て見ぬふりが多いと思う。やはり二人の時間を邪魔されたくないのか?どうなんでしょうか。

 ちなみに僕は恋人と一緒にいたほうが声をかけやすいと感じるのだけれどとうなのだろう。まあ、人それぞれだろうけれど。

 そんなこんなでヒッチハイク二日目も、皆さんの優しさで何とか成功しました!

 唯一失敗したなと感じたのは、博多に着いてから飲みに行こうとしたのだけれど、時間がなく、さらに雨ということもあり、謎のメキシコ料理を食べる羽目になってしまったことかな。おいしかったけど、博多にきてメキシコ料理はなんだかなあ。

 

 というわけで次回は最終日三日目についてお送りさせていただきます。

 さすが最終日、やはり事件は起こってしまいますね。

 我々に降りかかる事件とは何なのか。乞うご期待!!

 

 ではでは!!